皆さんは ”オーストリア” と聞いて何を思い浮かべますか?
カンガルーとコアラがいる、名前の似たオーストラリアでしょうか?
もしくはクラシックやウィーン少年合唱団といった音楽関係?
オーストリアに来る前の私は、サッカーの南野拓実選手が所属していたRed Bull Salzburg(レッド ブル ザルツブルク)というクラブがある国ぐらいの薄い知識しかありませんでした。
今回と次回の2週に渡って、”オーストリアってこんな国”ということを日本との比較も交えながら書いてみたいと思います。
位置
オーストリアは8つの国(ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、スロベニア、イタリア、スイス、リヒテンシュタイン)に囲まれた、中央ヨーロッパに位置づけられる国です。
オーストリア最南端の地域で北緯46度。
日本最北端の北海道稚内市(北緯45度)より少しだけ高い位置にあります。
ヨーロッパのど真ん中にあって、鉄道や高速バスなど交通網も張り巡らされているので、東西南北のヨーロッパ諸国を旅行するにはとても良い国だと思います。
行政区分
図のように、オーストリアは9つの州(Bundesland)によって構成されています。
1. ブルゲンラント (Burgenland)
2. ケルンテン (Kärnten)
3. ニーダーエスターライヒ (Niederösterreich)
4. オーバーエスターライヒ (Oberösterreich)
5. ザルツブルク (Salzburg)
6. シュタイアーマルク (Steiermark)
7. チロル (Tirol)
8. フォアアールベルク (Vorarlberg)
9. ウィーン (Wien)
それぞれの州には複数の郡(Bezirk)があり、さらに郡は複数の市町村(Gemeinde)からなっているそうです。
日本で例えると、州(Bundesland)が地方、郡(Bezirk)が都道府県、市町村(Gemeinde)は市町村かなと。間違っていたら、ごめんなさい。
ただし例外もあるそうで、オーストリアの首都であるウィーンには郡がないそうです。
ウィーンという州の中に、ウィーンという都市しかない、”都市州”と呼ばれるものらしいです。
個人的には、北海道地方の北海道みたいなものかなぁと思っています。
さらにややこしいのは⑤のザルツブルク。
ザルツブルク州は、5つの郡とザルツブルクという郡に属さない都市から構成されているそうです。
小難しくなってきたので、ここら辺で行政区分については以上にします。
ちなみに、私は「となりのトトロ サウンドトラック集」を聞きながらこの記事を書いている時点で、
オーストリア最南の②Kärnten (ケルンテン州)にある、郡に属さない Villach (フィラッハ)という都市に住んでいます。
現在住んでいる地域についても、そのうち詳しく書きたいと思います。
国土面積
オーストリアの国土面積は 83,870㎢
日本が 377,937㎢
ちなみに世界の国土面積ランキング(201カ国中)でオーストリアは112位、日本は61位だそうです。
ドイツが62位らしいので、島国だから勝手に過小評価していましたが、日本て案外大きいだなぁと勉強になりました。
人口
2023年4月1日時点で約912万人。
日本が約1億2,000万人なので、日本の1/10にも満たない人口です。
912万人は神奈川県の人口より少し少ないぐらいらしいです。
人口密度はオーストリアが109人/㎢。
日本が347人/㎢。
世界の人口密度ランキングで比較すると、オーストリアが82位、日本が25位。
こうして比較してみると、日本が異常なのではないか、という気がしてきます。
言語
オーストリアの公用語はドイツ語です。
そのため、街で見かける標識や広告、行政の公文書、駅やラジオで流れる音声は標準ドイツ語(Hoch-Deutsch)です。
ただし、オーストリアの日常会話で使用されているドイツ語は、標準語とは全く異なる言語だと思った方がいいです。
地域による方言が半端じゃなく強いためです。
ネットで少し調べただけで、うんざりするぐらい複雑に方言区分がされていました。
なので、ここでは私が住んでいる地域で話されている方言だけ軽く説明します。
私は前述したように、Kärntenというオーストリア最南に位置する地域に住んでいます。
ここでは”ケルンテン方言 (Kärntnerisch)”という方言が話されています。
複雑な樹形図を直線にして簡略化すると、
ドイツ語 → 高地ドイツ語 → 上部ドイツ語 → バイエルン諸方言 → 南バイエルン方言 → ”ケルンテン方言”
となるそうです。
私がここの方言を聞いても、はっきり言って1ミリも理解できません。
それぐらい違います。
例えば、挨拶。
ドイツ語を勉強したことがなくても、ドイツ語で ”こんにちは” が ”Guten Tag (グーテン ターク)” だと知っている人は多いのではないでしょうか。
オーストリアに来てから、この ”Guten Tag” を私はまだ聞いたことがありません。
こちらの挨拶は、
“Hallo (ハロー)”(これは地域関係なく使われているっぽい)
“Servus (セァヴス) または “Servas (セァヴァス)”
“Grüß Gott (グリュース ゴット)”
“Habediehre (ハベディエーレ)”
などです。
文字によっては発音が違うなんてこともあります。
例えば、通常 ”ア” と発音される “a” が、単語によっては”オ” と発音されたり。
ただ、日常的には方言が話されているものの、学校で習うのは標準ドイツ語らしいので、みんな標準語も話せます。
なのでオーストリアで明らかに外国人の外見をした私に対しては、標準語で話しかけてくれます。
しかし、現地人同士の会話が始まると、一気に蚊帳の外です。
「1年もここに住んでいれば、方言も理解できるようになるよ」と優しい言葉をかけてくれるものの、現時点では全くそんな気はしていません。
おわり
オーストリアって、たぶんこんな国。前編が終了です。
ネットで調べたことを、ただまとめて、うすーく説明しただけの箸休めのような投稿になってしまいました。
来週は私自身が生活してみて感じたことを、もう少し多めに盛り込んだ内容にしようかなぁと思います。
それでは。
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