どうも。
あっと言う間に夏が終わり、天気も景色もすっかり冬まっしぐらなオーストリア。
先週のアウェイ戦でMittersillという街まで遠征しましたが、その道中の山間部では地面にやんわり積もるぐらいの雪が降っていました。
冬を目前とした今頃になって、約4ヶ月前に引っ越した街での最初の暮らしぶりについて、辛い記憶の備忘録がてら書きたいと思います。
寝具がない
自ら望んで何もない真っ白な部屋に住むことになったわけですが、なぜか6枚もあるカーテンの予備と、ぼろっぼろのクッションが数個あったので、とりあえず最初はそれらを使って寝ることにしました。
中身むき出しのクッションでは、カッチカチの床に対抗できない。
ぺらっぺらのカーテンは、10℃を下回る気温では意味をなさない。
体は疲れているはずなのに、寝心地が悪すぎて寝れないし、寝れたとしても寒くて目が覚める。
こんな質の低い睡眠を続けていたら幸福度と健康に悪影響すぎると判断して、引っ越した3日後にマットレスだけ買いに行きました。
最初に専門店へ行って、店員さんに好みの固さを聞かれて慌て散らかしたのは良い思い出。
マットレスの好みなんて、今まで一度も考えたことない。
「とりあえず、この店で一番安いやつを教えてください。」
そう伝えると、たしか200€ぐらいのものを見せてくれました。
マットレスの相場を調べてなかったので、それが安いのか高いのか判断できず、200€自体が高いなと感じたので「他のお店を回ってみてから決めます。」と伝え、逃げるように店を出ました。
結局、そのあと訪れたLeinerという大きな家具屋(ニトリみたいな)で140€の暴力的に反発するマットレスを買いました。
2階にあったマットレスを1階のレジに直接持って行こうとして店員さんに、
「それは展示用のものなので持って行かないでください。」
とたしなめられたのも良い思い出。
マットレスを背負って徒歩で家まで帰る姿は、後ろからだとマットレスが歩いているように見えただろうなぁ。
良い思い出じゃないのは、マットレスを買った数週間後に大家から使わなくなったものをあげるよと言われたこと。
感謝していただく側だけど、知らぬ間に玄関の前にこんな形で置いておくのはどうかと思う。
掛け布団は10月に入って寒くなってきたので、スーパーで買いました。
寝るために作られた掛け布団って温かいですね。
今はよく眠れてます。
チーズは素手でちぎる
当然ながら調理器具や食器類もなかったわけですが、なるべく買わずに揃えようと努力していました。
家庭で使わなくなったものを玄関の前に置いている家でもないかなぁと思い、ひたすら街中を歩いていると、本当に奇跡的に求めていた以上の場所を見つけました。
”Erde(地球)”という名前の地域住民の居場所?コミュニティ?のような建物があり、そこには要らなくなったものを持ち寄って、誰でも持って行っていいよというスペースが設けられています。
衣類、食器、本、さらには食べ物まで置いてあります。
私はそこからコップとお皿を拝借しました。今でも愛用しています。
できればナイフなどのカトラリー関係とフライパンなどの調理器具もあれば嬉しかったんですけど、残念ながらErdeでは手に入りませんでした。
調理器具が全くない状態で自炊した、フィラッハでの初めての食事がこちらです。
もはや自炊とは呼べないクオリティの食事。炊いてないし。
スーパーでキロ単価が一番安かったブロックチーズ、一番安かったオリーブオイル、リンゴ、そしてこっちで最もポピュラーなパン ”Semmel(ゼンメル)”。
何かを切るための道具を持ち合わせていないため、ブロックチーズを手で引きちぎって、パンをオリーブオイルにちょんちょんしてチーズと食べる。
当時の記憶を思い返しながら改めて文章にすると、なんだかすごく悲しい気持ちになってきました。
不衛生だし、悲しくなっちゃうので、包丁とカトラリーはすぐに買うことにしました。
切るための道具って、めちゃくちゃキレイに切れますね。今はよく切ってます。
辛い記憶は次回に続きます。
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